台湾レポート

1991年から1992年にかけて、私はゴルフ場開業準備責任者として台湾に赴任していた。 そのゴルフ場は、T高爾夫球場(T Golf Course)。 台湾の南の大都市 高雄(カオシュン)から、東に車で約1時間の所に有る。 私が台湾で遭遇した笑える体験を、平易な?日本語で赤裸々に綴ります。

042 英才教育

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【042 英才教育】

夜、喉が渇いたので、台所にお茶を飲みに行った。
我が家では、お茶や烏龍茶をポットに作り、冷蔵庫に冷やしておく。

冷蔵庫の前でグラスに注いだ烏龍茶を飲んでいる時、台所に面している裏の家から子供の歌声が聞こえてきた。

エコーが効いている。
風呂に入りながら歌っているらしい。

特に意識して聞いていたわけではないが、日本語が聞こえたような気がした。
耳を澄まして聴いてみた。

すると、「や〜まだのな〜あかの、いっぽんあしのか〜か〜し、て〜んき〜のよ〜いのに、み〜のかさつけて、ムニョムニョムニョムニョ、や〜まだ〜のかかしっ」と、はっきりした日本語が聞こえてきた。

歌っているのは二人のお子様らしい。
裏の住人とは話したことは無いが、確かに台湾人である。

近くに日本語を教える教室が多いが、その中に“カラオケ日語”というものがある。
“歌って覚える日本語”という事らしい。

カラオケが主なのか、日本語が主なのか分らないが……。

多分この子達も、“カラオケ日語”で最新の?J-POPを聴きながら学習しているに違いない。


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041 カラオケ

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【041 カラOK】

9月22日は中秋節である。

台湾では旧正月、端午節と、この中秋節の三つが大きなイベントである。

今年は中秋節が日曜日と重なるため、振替休日との連休になる。
すでに一週間位前から、皆が、街中が舞い上がっている。

現場から家へ帰る途中、最初に通るのが“三地門”(サンティーメン)という部落である。

以前は“山地門”と書いたそうだが、見た目が悪いので、こうなったそうである。

この部落に入るには大きな川を渡ることになるが、その橋のたもとには、“川の家”がある。

川で泳いだり遊んだりする人が、飯を食ったり、休憩するような店。
いわゆる“海の家”のようなものである。

中秋節を二日後にひかえた金曜日の帰りに、その“川の家”に巨大なネオンが取り付けられていた。
それを見た瞬間に大笑いしてしまった。

その名も“大自然カラOK”である!

話は戻って、中秋節だけに、“大自然カラOK”とは月に向かって吠えるのであろうか?

中秋節をにらんだ企画物であろう。

これを見て、以前に台湾の新聞で読んだ、或る記事を思い出した。

その記事には、屋外で人々が折り畳み式の椅子に座っていて、その前で一人の男が激唱しているという写真が載っていた。

その脇に小見出しがあり、“露天KTV”と紹介されていた。

註:KTV=Karaoke TV(どちらかというと、カラオケボックスを指すことが多い。
しかし、上記の“露天KTV”の場合、地球がボックスということ?)


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040 無法地帯

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【040 無法地帯】

毎朝、張さんは私をカローラの助手席に乗せ、現場までカッ飛んでいく。

しかし今日は珍しく、前がつかえてしまった。

先頭が遅いトラック。
その後ろにパトカーが見え隠れする。

そして、その後ろにまたトラック。
4台目が私たちである。

このような状況では張さんも諦めたらしい。

ある部落を抜けた所で道は直線になり、少し太くなる。
両側には椰子(ヤシ)と檳榔(ビンロウ)の木が続いている。

ここでパトカーが左側の車線に出て、前のトラックを抜きに掛かったのが見えた。
それを待っていたかのように、張さんも左に出て目の前のトラックをパスした。

そして対向車を1台やり過ごしてから、もう1台もあっさり抜いた。

パトカーは 100mほど先行していたが、張さんはジワリジワリと追い付いた。
更に次の瞬間、張さんは信じられない勝負に出た。

再度左側の車線に出て、パトカーに挑みかかった。
私は唖然として、メーターを覗き込んだ。
80キロである。

私が視線を前方に戻すと、制限速度60キロの標示板が後ろに飛んでいった。

張さんはパトカーを綺麗に抜き去った後、元の車線に戻った。
私もスピード違反で2度ほど免停の経験があるが、さすがにパトカーを抜き去ったことは未だかつて無い。

私は、『こりゃ、やられるなっ!』と体をこわばらせたが、サイレンも鳴らない。

そして、張さんは更にアクセルを踏み込み、加速する。
メーターは 100キロに達している。

私は、「パトカーはスピード違反の取り締まりはしないんですか?」と尋ねた。
「都会では有るが、田舎では無い。」という答えだったが、パトカーを相手にやる方も、やる方である。
それも、40キロオーバーの現行犯である。

このようにして私は車に乗る度、『生きて日本に帰りたいっ!』と強く願うのである。


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